MP4(H.264)形式でエンコードできるソフトはいろいろあるが、満足できるクオリティのものは少ない。 その中でAviUtlはプラグインなどを使いそこそこ満足のいくエンコードができる。 ただ、使える状態になるまでの準備がやや面倒である。 そこでここではAviUtlでFLV、MOV、WMV、AVIなどをMP4(H.264)に変換できるようになるまでのインストールと設定の手順について記す。
x265guiExを用いたH.265フォーマットのエンコードも手順はx264guiExと同じである。 H.265を利用する場合は、以下の説明のx264の部分をx265に置き換えて読んで下さい。
また、この記事は最初2012年4月に書いたが内容が古いので、L-SMASH Worksを使った方法を追記した。 一応古い手順も残しておく。
まず作者のサイト AviUtlのお部屋 から AviUtl 本体の aviutl100.zip をダウンロードする。 単に FLV、MOV、WMV、AVI などを MP4(H.264)に変換するだけなら本体だけで良い。 AviUtl でいろいろ編集したい場合は、上記ページから拡張編集Plugin「exedit92.zip」もダウンロードする。
AviUtl はインストーラーはなく、ダウンロードした ZIP ファイルを単に展開(解凍)する。 aviutl100.zip と exedit92.zip を同じフォルダに解凍する。 AviUtl で使用するプラグインは、aviutl.exe 本体と同じフォルダに置いても良いし、本体の直下に Plugins というフォルダを自分で作ってそこに置いても良い。 ここでは Plugins フォルダを作らない方法で話を進める。
aviutl(フォルダ) aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp exedit.anm exedit.auf exedit.aui exedit.auo exedit.cam exedit.ini exedit.obj exedit.scn exedit.tra exedit.txt lua.txt lua51.dll
x264guiEx は MP4(H.264)形式でエンコードするためのプラグイン。 作者のブログ rigayaの日記兼メモ帳 にダウンロードのリンク x264guiEx や x265guiEx がある。 H.264 の場合は x264guiEx、H.265 の場合は x265guiEx の ZIP ファイルをダウンロードする。 ここでは x264guiEx_2.52.zip をダウンロードして説明を進める。
x264guiEx の ZIP ファイルを解凍し、その中にある auo_setup.exe を実行し、インストールする。 解凍するフォルダは上述の aviutl フォルダでなくても良い。
auo_setup.exe を実行後、VC(Visual C++)ランタイムのインストールが始まる。 ただし、VC ランタイムがインストール済みの場合はこの工程は省略される。 あらかじめ自分でマイクロソフトのサイトから Visual C++ 再頒布可能パッケージをダウンロードしてインストールしても良い。
この工程でインストールの許可を求めるウィンドウが表示される場合がある(ウィンドウが隠れている場合はタスクバーを見ると分かる)ので、その際はインストールを許可して進める。 詳しくは同梱の x264guiEx_readme.txt に説明がある。
その後「Aviutlのフォルダ」と書かれたウィンドウが表示されるので、[...]ボタンをクリックして上述の aviutl フォルダを指定し、[次へ]ボタンをクリックすると x264guiEx などのインストールが始まる。 このインストーラーを使うと、x264guiEx、x264、qaac、L-SMASH など必要なものがインストールされるので、別途 x264 などをダウンロードしてインストールする必要はない。
インストール時、自動的に x264、qaac、L-SMASH のダウンロードが始まるが、サーバーのレスポンスが悪い場合はダウンロードに時間がかかる場合がある。 インストールが終わると、ファイルとフォルダの構成は以下のようになる。 exe_filesフォルダ と x264guiEx_stgフォルダ は x264guiEx のインストーラーにより自動的に生成される。
aviutl(フォルダ) aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp exedit.anm exedit.auf exedit.aui exedit.auo exedit.cam exedit.ini exedit.obj exedit.scn exedit.tra exedit.txt lua.txt lua51.dll x264guiEx.auo x264guiEx.conf x264guiEx.ini デフォルト.cfg exe_files(フォルダ) boxdumper.exe libsoxconvolver.dll libsoxr.dll muxer.exe qaac.exe refalac.exe remuxer.exe timelineeditor.exe x264_2851_x64.exe x264guiEx_stg(フォルダ) PS3.stg PSP.stg 【以下略】
AviUtl 単体では avi など一部の動画ファイルしか開けない。 L-SMASH Works をインストールすると、MP4、MOV、QT、3gp、3g2、F4V、M4A 等の L-SMASH 対応コンテナに格納された映像・音声データや、Flash(swf、flv)など FFmpeg 対応のコンテナフォーマットが読み込めるようになる。 FFmpeg が対応しているファイル形式は FFmpeg (Wikipedia) に一覧がある。
作者のサイト L-SMASH Works r921 - RePOPn から L-SMASH Worksをダウンロードする。 ここでは L-SMASH_Works_r921_plugins.zip をダウンロードして説明を進める。
L-SMASH Works の ZIP ファイルを解凍し、その中にある lwcolor.auc、lwdumper.auf、lwinput.aui、lwmuxer.auf の4つのファイルを aviutl フォルダに入れる。 これも Plugins フォルダを作ってそこに置いても良いが、直下に置いても良い。 ここでは直下に置いた。 ファイルとフォルダの構成は以下のようになる。
aviutl(フォルダ) aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp exedit.anm exedit.auf exedit.aui exedit.auo exedit.cam exedit.ini exedit.obj exedit.scn exedit.tra exedit.txt lua.txt lua51.dll lwcolor.auc lwdumper.auf lwinput.aui lwmuxer.auf x264guiEx.auo x264guiEx.conf x264guiEx.ini デフォルト.cfg exe_files(フォルダ) boxdumper.exe libsoxconvolver.dll libsoxr.dll muxer.exe qaac.exe refalac.exe remuxer.exe timelineeditor.exe x264_2851_x64.exe x264guiEx_stg(フォルダ) PS3.stg PSP.stg 【以下略】
インストールされるファイルやフォルダ構成は x264guiEx のバージョンによって多少異なる場合があるが、特に問題ないのでそのまま作業を続ける。 x264_2851_x64.exe のファイル名はバージョンにより異なる。
AviUtl のメニューから[ファイル]→[環境設定]→[システムの設定]を選択する。 最大画像サイズに 幅「1920」、高さ「1080」などを設定する。 ファイルを開こうとした際「1280x720(または1920x1080)を超える画像サイズのファイルは編集できません。最大画像サイズはシステムの設定で変更できます。」という警告が出て動画を読み込めない場合は、設定値を大きくすると読み込めるようになる。
設定は AviUtl を再起動(いったん終了して、再度起動)すると反映される。
また、ファイルを開こうとした際「編集できる最大フレーム数は320000フレームまでです。最大フレーム数はシステムの設定で変更出来ます。」と出る場合は、[最大フレーム数]を 320000 から 640000 などに変更する。 フレーム数は30fps(30フレーム/秒)で180分の動画の場合、30×60×180=324000フレームになる。
もしファイルが開けないなどのエラーが出る場合は、入力プラグインの優先度を変更してみる。 AviUtl のメニューから[ファイル]→[環境設定]→[入力プラグイン優先度の設定]を選択する。 L-SMASH Works を選択し、上や下に移動させて試してみる。 設定したら AviUtl を再起動して反映させる。
AviUtl を起動し、変換したいファイルをウィンドウにドロップするか、メニューからファイルを開く。 この際「ファイルの読み込みに失敗しました。このファイル形式には対応していないか、対応するコーデックやプラグインが登録されていない可能性があります。」という警告が表示される場合、以下の原因が考えられる。
AviUtl のメニューから[ファイル]→[プラグイン出力]→[拡張 x264 出力(GUI) Ex]を選択する。 ※このメニューは何かしら動画ファイルを開かないと表示されない。 x265guiExの場合は[拡張 x265 出力(GUI) Ex]を選択する。 以下、x265guiEx の場合は x264 を x265 に置き換えて読む(若干ファイル名が異なるものもある)。
ウィンドウ左下にある[ビデオ圧縮]ボタンをクリックする。 その後表示されたウィンドウで x264.exe(ウィンドウ左上)、qaac.exe(ウィンドウ右上)、mp4関連実行ファイル(ウィンドウ右下)のパスを確認する。 上述の x264guiEx のインストーラーを使ってインストールした場合は、自動的にパスが設定されるので特に設定は必要ない。 x264guiEx インストーラー使用時、以下のように指定されている。
上記のようにデフォルトでは相対パスで指定されているため、AviUtl 一式のフォルダを移動しても基本的にパスの再設定は必要ない。 自分で絶対パスで指定した場合は、AviUtl 一式のフォルダを移動したときにパスの設定も見直す必要がある。 [...]ボタンをクリックするとファイルを選択できる。
映像や音声にノイズ等が見られるときは、上述の[ビデオ圧縮]ボタンをクリック後に表示される x264guiEx の設定ウィンドウで品質を調整する。 自分の好みで設定するか、ウィンドウ上部にある[プロファイル]からiPhone、ニコ動、PSP、アニメなど予め用意された設定を選択する。 また、ウィンドウ右上の[その他の設定]をクリックし、[自動マルチパス]タブにある「上限映像レートに対する余裕」の値を大きくすることで品質が改善されることもある。 例えば 5(デフォルト値)から10に変える。
[ビデオ圧縮]ボタンをクリックする前の画面に戻り、保存先を選び、ファイル名を付けて、[ファイルの種類]で mp4 file を選び[保存]をクリックする。 エンコードが始まるので、処理が終わるまで待つ。 どの位置をエンコードしているかはスクロールバー(シークバー)の位置で分かる。 エンコードが終わると「総エンコード時間」などが表示される。 以上で変換までの簡単な流れは終了となる。
以下はds_inputやコーデックパックを使った方法である。 以下のものをダウンロードする。
aviutl aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp Plugins (斜体はフォルダ)
以上の作業で以下のようなフォルダ構成になる。 インストールされるファイルやフォルダ構成は x264guiEx のバージョンによって多少異なる場合があるが、特に問題ないのでそのまま作業を続ける。 x264_2744_x64.exe のファイル名はバージョンにより異なる。 exe_filesフォルダ と x264guiEx_stgフォルダ は x264guiEx のインストーラーにより自動的に生成される。 x265guiExの場合はx264をx265に置き換えて読む(若干ファイル名が異なるものもある)。
aviutl aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp exe_files boxdumper.exe libsoxconvolver.dll libsoxr.dll muxer.exe qaac.exe refalac.exe remuxer.exe timelineeditor.exe x264_2744_x64.exe Plugins ds_input.aui x264guiEx.auo x264guiEx.conf x264guiEx.ini (m2v.aui) (m2vconf.exe) (ResizeFilter.auf) x264guiEx_stg PS3.stg PSP.stg 【以下略】 (DLL) (sse2filter.dll) (sse2filter_yuy2.dll) (wndfuncs.dll)
※斜体はフォルダ。
※( )内のファイルとフォルダは、MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In と リサイズフィルタ を入れた場合のもの。
設定は 上記 のL-SMASH Worksを使った方法と同じ。
基本は 上記 のL-SMASH Worksを使った方法と同じ。
以下の点を確認する。
以下はさらに古い方法である。 上記手順と重複するものは省略している。
上記以外で使用していたもののみ記す。
aviutl aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp Plugins (斜体はフォルダ)
aviutl aviutl.exe aviutl.txt aviutl.vfp js32.dll MP4Box.exe neroAacEnc.exe x264.exe Plugins ds_input.aui m2v.aui m2vconf.exe ResizeFilter.auf x264guiEx.auo x264guiEx.ini DLL sse2filter.dll sse2filter_yuy2.dll wndfuncs.dll x264guiEx_stg PS3.stg PSP.stg (以下略) (斜体はフォルダ)