ベクレルをシーベルトに換算する方法

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2011年3月11日の東日本大震災以降、テレビ番組は放射線の話題が多くなり、線量に関する単位としてベクレルやシーベルトをよく耳にするようになった。 その中でベクレルをどうやってシーベルトに換算しているのか気になった。 定義や性質の異なる単位を正確には換算できないと思われるが、以下のように換算が行われているようだ。

例えば、ホウレンソウ 1kg にヨウ素131が 2000 ベクレル含まれるとする。 これに放射性核種に対する実効線量係数というものを用いてベクレルをシーベルトに換算する。 ベクレルはBq、シーベルトはSvと書く。 この例では、経口摂取の場合、ベクレルの値にヨウ素131の実効線量係数 2.2×10-8 をかける。

2000 Bq × 2.2×10-8 Sv/Bq = 0.000044 Sv

mSv や μSv で表すと以下のようになる。 m(ミリ)は 1/1000、μ(マイクロ)は 1/1000000 を表す。

0.000044 Sv = 0.044 mSv = 44 μSv

つまりこの例ではホウレンソウ 1kg に 44 μSv 含まれることになる。 半分の 500g なら 22 μSv ということになる。 こうして計算された値は預託実効線量と呼ばれる。

半減期と実効線量係数

ベクレルは1秒当たりで定義されている単位だが、換算されたシーベルト値は体内に取り込んだ放射性物質が体内に存在している間に人体に影響を及ぼすと思われる線量を表す。 線量の積分期間は、作業者および成人の一般公衆で50年、子どもでは摂取した年齢から70歳まで。 摂取した放射性物質は時間とともに減少し、減少する早さは放射性物質の種類により異なる。

下表は、緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数である。 経口摂取は口から食物を摂取する場合、吸入摂取は呼吸で気体を取り込む場合である。 半減期は放射性核種の半分が崩壊するまでの期間である。

I はヨウ素、Cs はセシウム、Pu はプルトニウム、Sr はストロンチウムを表す。

核種 半減期 実効線量係数
経口摂取
(Sv/Bq)
吸入摂取
(Sv/Bq)
I-129 1570万年 1.1×10-7 3.6×10-8
I-131 8.04日 2.2×10-8 7.4×10-9
I-133 20.8時間 4.3×10-9 1.5×10-9
Cs-134 2.06年 1.9×10-8 2.0×10-8
Cs-136 13.1日 3.0×10-9 2.8×10-9
Cs-137 30.0年 1.3×10-8 3.9×10-8
Pu-238 87.7年 2.3×10-7 1.1×10-4
Pu-239 2.41万年 2.5×10-7 1.2×10-4
Pu-240 6564年 2.5×10-7 -
Sr-89 50.5日 2.6×10-9 7.9×10-9
Sr-90 29.1年 2.8×10-8 1.6×10-7

報道によるとホウレンソウ、原乳、カキナから食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出された。 ヨウ素はいろいろ種類があり、その中に放射性ヨウ素と呼ばれるものがあり、ヨウ素129、ヨウ素131、ヨウ素133がある。 同様に放射性セシウムは、セシウム134、セシウム136、セシウム137がある。 テレビや新聞などの報道では、主にヨウ素131、セシウム134、セシウム137を多く見かける。

預託実効線量を計算するにあたり、以下のサイトが参考になった。

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