ホットピクセル、デッドピクセル
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液晶モニタやCCD/CMOSイメージセンサのホットピクセル、デッドピクセルなどの違い、意味。
ホットピクセル、デッドピクセル
液晶モニタやCCD/CMOSイメージセンサでは画素に欠陥がある場合があり、種類によりホットピクセル、デッドピクセル、スタックピクセルなどの呼称がある。
私の Canon EOS 6D で欠陥画素が見つかり、ホットピクセル、デッドピクセルについていろいろ調べていた。
言葉の違いについて明確な説明がなく、国内ではホットピクセル、デッドピクセル、液晶モニタではドット落ち(ドット抜け)などと呼んでいる人は見かけるが、スタックピクセルという言葉を使っている人は少ない。
Defective pixel(Wikipedia 英語版)
など海外のサイトをいろいろ見てまわった。
液晶モニタ(フラットパネルモニタ)については
ISO 13406-2(Wikipedia 英語版)
に以下のような記述がある。
- type 1 = ホットピクセル(常に点灯で色は白)
- type 2 = デッドピクセル(常に消灯で黒を意味する)
- type 3 = スタックピクセル(1つ以上のサブピクセル(赤緑青)が常に点灯か常に消灯)
他のサイトを調べてみると実際は type 1 = constantly bright pixel(常に明るいピクセル)を指すだけで、ISO 13406-2 にホットピクセルとは書いていないようだ。
同様に type 2 は constantly dark pixel(常に暗いピクセル)、type 3 は defect subpixel, either constantly bright (red, green, blue) or constantly dark(欠陥サブピクセル。常に赤緑青のどれかが明るいまたは暗い)となっている。
ただ、ISO 13406-2 は廃止されて ISO-9241-302, 303, 305, 307:2008 になっている。
またオリンパス(アメリカ版のサイト)では以下のような説明があった(現在ページが消えている)。
- デッドピクセルは全ての露光で読み込みがゼロか常にオフのピクセル。この状態は最終的な画像で黒い画素を生成する。
- スタックピクセルは全ての露光で常に読み込みが高いか常に最大でオンのピクセル。これは最終的な画像で白い画素を生成する。
- ホットピクセルは長時間露光で読み込みが高いピクセルで、白や赤、オレンジ、緑、黄緑を生成できる。この現象は、長時間露光中に加熱するセンサーによって引き起こされる。ホットピクセルは、デッドピクセルやスタックピクセルと混同すべきではない。
スタックピクセルの色は赤緑青またはそれらを組み合わせた色と書いているサイト
Dead vs Stuck vs Hot Pixels
もある。
液晶モニタとイメージセンサでは解釈が異なるのか、デッドピクセル以外の解釈が若干異なる。
白傷、黒傷
ソニーや浜松ホトニクスなどイメージセンサを製造している企業は画素欠陥において白傷、黒傷といった言葉を使用している。
浜松ホトニクスの資料(現在消えている)には以下のような説明があった。
- 傷は、暗状態で明るく見える白傷(white spot)と入射光のある状態で暗く見える黒傷(black spot)の2種類に分類できます。
これらの傷を合わせて画素欠陥(point defect または pixel defect)と呼びます。
- 白傷の発生する原因としては、材料の格子欠陥、材料に含まれる金属不純物、機械的損傷やプロセス中の埃に起因するパターン不良などがあります。
ゲッタリングと呼ばれるプロセス技術を採用しても、傷をゼロに保つことは難しく、面積が大きく画素サイズが小さいCCDほど傷は顕著になります。
- 黒傷は主にプロセス中のCCD表面への埃や表面の絶縁膜の部分的欠陥による反射の違いによるもので、CCD表面や窓材をクリーンにする必要があります。
定義については企業により異なるが、浜松ホトニクスでは「白傷はCCDの冷却温度が0℃で1秒間蓄積したときに、飽和電荷量(FW)の3%を超える暗電流を発生する画素」、「黒傷は飽和電荷量(FW)の50~100%の均一光が入射したときに、その出力が信号平均値の1/2以下の画素」と定義している。