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度し難いとはどういう意味か?

更新:

度し難いは「どしがたい」と読み、「救い難い」、「道理を言い聞かせても分からせることができない」などの意味で使われている。 例えば「彼は度し難い人間だ。」などと言う。 それは良いのだが、ではこの「度」とは何を表すのかという疑問がある。

調べてみると、これは程度や度合などではなく、済度のことである。 「さいど」と読む。 済度は仏教の言葉で、仏が、悩んだり迷ったりしている人々を救うこと。 明治時代の国語辞典「言海」の語釈には以下のように書かれている。

佛經ノ語、衆生シユジヤウ苦海クガイヨリスクヒテ、彼岸ヒガンワタスヿ。人ノ罪業ニ迷ヘルヲ諭シ救フヿ。
(言海 : 日本辞書. 第1-4冊 - 国立国会図書館デジタルコレクション)

済いて(すくいて)、彼岸へ度す(わたす)で「済度」となる。 佛經は仏教の旧字(異体字)。 ヿはコトの合略仮名で、事を指す。

また、同じく古い国語辞典「大日本国語辞典」を見ると以下のように同じような説明がされている。

佛語。衆生を苦海よりスクひて彼岸へワタすこと。人間の迷ひを救ふこと。
(大日本国語辞典. 第2巻く~し - 国立国会図書館デジタルコレクション -)

つまり「済度し難い」が元の形ということになる。 そこから「救うことが難しい」のほか、「どうしようもない」といった意味で使われている。


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