私はアメリカにホームステイしたことがあり、その際お世話になった家族にたまにエアメールを送っていた。 ここではそのときの経験をもとにエアメールの送り方、英語の手紙の書き方について記す。
エアメールは郵便局にて国際郵便を使用する。 郵便局の窓口へ行って計量してもらうと金額が出るので、請求された金額を払う。 事前に切手などを貼る必要ない。 もちろん、自分で好きな切手を貼ってポストに投函したり郵便局に持っていても良い。
送料は 国際郵便料金表(日本郵便) の「通常郵便物」に書いてある。 便箋タイプならたった百数十円でアメリカへ送れる。 小型包装物でも大して高くない。 ヨーロッパなど他の国宛てもほぼ同じ料金となっている。
1つ注意点がある。 2024年3月1日から全ての国・地域宛てに物品などを送る場合、手書きのラベルは使用不可となった。 ラベルを作成する際は、通関電子データを送信できる「国際郵便マイページサービス」を利用する。 詳しくは 通関電子データ送信義務化について(日本郵便) を参照。 ただし、これは「物品」の話であり、手紙など書類だけを送る場合は、従来通り手書きのラベルや宛名書きで発送可能。
葉書、封筒など基本的にどれも表面に自分と相手の住所を英語で書く。 左上に小さく自分の住所、中央辺りに少し大きく送り先の住所を書く。
以下は日本から海外へ送る場合の例。 逆に海外から日本へ送る場合は、記載する場所を入れ替える。
エアメールというと、ふちに青色と赤色の線が入った封筒をイメージするが、この封筒を使わなければいけないという決まりはなく、無地のものでもレターセットでも良い。 住所は手書きでもプリンターで印字した紙を貼り付けても良い。
以下はアメリカから送られてきたエアメール。
茶封筒のような一般的な封筒で書類等を送る場合も住所の書き方は同じ。
住所は上記サンプルのような配置で書く。 自分の住所を左上に小さく書き、相手の住所(宛先)を中央に大きく書く。 ハガキサイズより大きい郵送物の場合は、上記サンプルのような紙を用意して郵送物の中央に貼れば良い。 その点は日本の郵便物と同じ。 切手は郵便局で計量してもらって貼ってもらう。 自分で貼る場合は右上に貼る。 住所に To や From は付けなくても良い。
住所は狭い区域から大きい区域を順に並べて書く。 日本とは書き方が逆だが、日本の住所は郵便番号が正しく書かれていれば、細かい順序はあまり気にする必要はない。 日本の地名は基本的にヘボン式のローマ字で表記するが、そのルールと異なる表記をする自治体もある。 ただ、これも配達する人が分かれば問題ない。 海外の住所は、なるべく相手に教えてもらった通りに書くと良い。
以下にいくつか例を記す。
例1イギリスは住所を書くとき右端をそろえて以下のように書く人もいるようだが、最近は少ないようだ。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英語圏でも、細かいことを気にせずアメリカ風に書いても特に問題ない。 それよりも手紙の本文に力を注いだ方が良い。
相手の名前は「Mr. John Walton,」のようにフルネームで書く。 Mr. や Mrs. は日本の手紙の「様」に相当する。 夫婦宛なら「Mr. & Mrs. John Walton」のように○○夫妻という意味の「Mr. & Mrs. + 夫のフルネーム」と書くと良い。 ただ、宛名は連名にせず代表者だけ書き、手紙の本文に家族の名前を書く方が分かりやすい。 親しい関係や何度もメールのやり取りをしている関係なら、「John Walton」や「Helen & John Walton」など Mr. や Mrs. を付けずに氏名を書いても構わない。
敬称には以下のようなものがある。
エアメール、つまり航空便を表す「VIA AIR MAIL」を自分の住所の下辺りに書く。 文字の色は黒や青などを使用する。 「BY AIR」と書いてあるものもある。 もし VIA AIR MAIL を書いていない場合、郵便局の窓口で手渡す際に航空便か否か聞かれるかもしれない。 航空便の他には船での輸送もある。 基本的に航空便で送られるが、自分でポストに投函する場合は航空便の指定がないと、どのように送られるか分からない。
アメリカの場合、宛先の最後が「州名の略称 + ZIP CODE」になっている。 州名の略称は、ニュージャージー州ならNJ、ペンシルバニア州ならPA、カリフォルニア州ならCAと書く。 詳しくは英語版Wikipediaの 州名の略称 にある。 ただ、略さなくても構わない。 ZIP CODE は5桁の数字になっており、詳しくは USPS ZIP CODE(アメリカの郵便番号) を参照。
クリスマスやバースデー用などのグリーティングカードは、郵便物の表面の見やすい場所に「Greeting Card」と書くと25gまでであれば密封して定形郵便物の手紙と同様の扱いで送れる。 Greeting Card のほかは以下のようなものがある。
これらは VIA AIR MAIL の上辺りに書くと良い。 カードの形状は正方形を含む長方形。
新年用のよくある文例。
クリスマス用のよくある文例。
手紙の本文は、拝啓や敬具など一応決まった書式があるが、親しい相手ならあまり気にする必要はない。 住所はプリンターで印字したものでも良いが、ビジネス用途でなければ本文は手書きの方が印象が良いかもしれない。
拝啓は、見出しまたは住所を書いた場合、それらの後に書く。 個人宛ての場合、「Dear David,」のように Dear+ファーストネーム+カンマを書く。 連名、特に夫婦の場合は、「Dear Helen & John」のように女性の名前を先に書く方が多い印象。
ビジネス用の場合、「Dear Ms. Dobson:」のように Dear+苗字+コロンを書く。 企業や部署宛てで、相手の担当者名が分からない時は「Dear Sir:」。 企業や部署そのものに宛てる場合は「Dear Sirs:」。
イギリスの場合、コロンやカンマを使わないのが一般的。 親しい人に送る場合、Dear 以外に Hi や Hello などを使うことがある。
敬具には標準的なものやフォーマルなものなどがある。 本文の後に少しスペースを空けて右寄せで書く。 アメリカは敬具の後ろにカンマを書く。 イギリスは書かないのが一般的。 拝啓に Mr. や Mrs. など敬称をつけた場合、フォーマルな敬具を使うことが多い。 拝啓に敬称を付けなかった場合は、くだけた敬具が多い。
くだけた敬具には以下のようなものがあり、人によるが Best regards を使う人が多い印象。
ビジネス用のフォーマルな敬具には以下のようなものがある。
見出しは文頭右寄せで書く。 知人などに送る手紙は、自分の住所を書かず日付だけ書くことが多い。 日付すら書かないこともある。 ビジネス用の場合、アメリカでは自分の住所と日付を3行程度で書く。 1行目に自分の住所、2行目に市、州、ZIP CODE、3行目に日付となる。 日本の住所を書く場合は、3~4行程度で適当に記す。 日付は2024年4月15日の場合、April 15, 2024 や 15 April 2024 や 15/4/2024 といった表記がある。 アメリカは日月年で書く方が多い印象。 誤解を防ぐために月は数字ではなく英語で書くと良いかもしれない。
知人宛の例以上の各項目は、適度に行間をあけて分かりやすく書く。 eメールで知人に送る場合は、メールの送信日時があるので日付は必要はない。 すべて左寄せで書き、右寄せにする必要もない。 英語の手紙の書き方については、英語版 Wikipedia の Letter_(message) の項目も参考になる。
日本語から英語への翻訳は Google 翻訳 が便利。 翻訳機能は完璧ではないので参考程度に使用する。 最近ではChatGPTなどのAIを利用する方法もある。 通常、日本語を英語に翻訳するために使うが、逆に自分で書いた英文を日本語に変換してみるという使い方もできる。 自分が書いた英文のチェックに使える。
エアメールで使う封筒は、文房具店、雑貨屋、100円ショップ等で売られているレターセットがおすすめ。 手紙より少し大きいものを送る場合は、B5やA4サイズの茶封筒を使っても良い。
封筒、便箋などは、和紙や千代紙、和風のイラストなど、和(日本)が感じられるものが喜ばれる。 クリスマスや新年が近づくと、その季節に合わせたレターセットを販売している店も少なくない。