2013年6月15日、ビックカメラでCanon PowerShot G15を47,800円で購入した。 アマゾンなど安いところでは4万円弱なので少し高め。
現在同じキヤノンのコンパクトデジタルカメラPowerShot S95を使っており、買い替えとしてG15を選んだ。 同じくらいの値段で大型センサーのコンデジやエントリーモデルのミラーレス・一眼レフが買える昨今、1/1.7インチセンサー機に約4万円を出すのは躊躇する。
購入にあたり重視したのは望遠端でも明るいレンズ、マクロ、ズームレンズなどレンズを交換せずにいろいろできる使い勝手の良さ。 その他の候補としてはLX7、X20、XZ-2があった。 最近のコンデジはAPS-Cなど大型センサーの機種もあるが単焦点なので購入対象から外れた。 今までS95を使っていたことと、DPP(Digital Photo Professional)に慣れているという理由で最終的にG15を選んだ。
店頭で触ったときはあまり感じなかったが、割と表面がザラザラしていて滑りにくいのは良い。 Sシリーズと比べるとサイズは大きいが、グリップがあり持ちやすい。 Sシリーズは指でつまんで持つスタイルなので、カメラを落とさないかと不安になることがあるが、その点G15は握って持てるので安心感がある。
コンデジとしてはボタン類が多く操作しやすい。 G15はホイールだけでなく前面のダイヤルで操作する点などがSシリーズと異なるが、基本操作はいつものPowerShot。 私はデフォルト設定のまま使っているが、一応設定で割り当てを変更できる。 設定メニューもいつものPowerShotなので、このシリーズに慣れていれば操作は簡単。
S95に劣る点はサイズが大きいこと。 コンパクトとは言い難い。
G15、LX7、X20、XZ-2を購入候補にしたもう1つの理由には、望遠側のレンズの明るさがある。 Sシリーズは広角端は明るいが望遠端は暗く、少しズームするだけで暗くなってしまい、シャッタースピードやISOを大きく調整する必要があった。 その点G15は望遠端でも明るく、画角を変えて手持ちで撮影する際非常に便利。 レンズはS95と比べると歪曲が少ないのは良い。 DPPで歪曲補正を行ってもごく僅かな変化しかない。 AF速度は最近の機種としては驚くほどではないが、S95などと比べると速くて快適。
仕様によると約350枚撮れるようで、Sシリーズより100枚ほど多い。 個人的には200枚くらいだと物足りない場合があるので、たくさん撮れるのは嬉しい。 ただ、予備としてCanon NB-10L 互換バッテリーを後日購入した。
本体のほか、バッテリー、充電器、ネックストラップ、取扱説明書など同梱。 取扱説明書はキヤノンのサイトからPDF版をダウンロードできる。
前面にダイヤルが付いていて操作しやすい。 グリップがあり持ちやすい。
一応ファインダーが付いているが使ったことはない。
生産国は日本(MADE IN JAPAN)。
主なスペックは有効画素数約1,210万画素、1/1.7型CMOSセンサー、焦点距離6.1~30.5mm(35mm判換算28~140mm)、開放F値F1.8~2.8、光学5倍ズーム。 サイズは106.6×75.9×40.1mm(幅×高さ×奥行き、CIPA準拠)。 質量は約352g(バッテリーおよびメモリーカード含む)で、本体のみは約310g。
背面の液晶モニターは3.0型TFTカラー液晶(約92.2万ドット)で、S95(約46.1万ドット)と比べると精細。 G15単体では気づかなかったが、S95の液晶と比べると色温度が異なるのか、若干黄色く感じる。 輝度を変えても特に印象は変わらなかった。
G15には電子水準器が付いており、液晶モニターに表示でき、風景を撮る際に重宝する。 水準器付きの機種を買ったのは初めてで、鎌倉へ試し撮りに行ってきたが便利だった。 水準器は自分で調整可能だが、私のG15は特に問題なさそうなのでデフォルトのまま使っている。
私は基本的にP/Tv/Av/Mモードを使用し、RAW+JPEGで撮っている。 画質に関しては1/1.7インチセンサー相応。 等倍で見ると滲みのようなものがあるが、1/2.3インチセンサー機ほどではない。 大型センサー機と比べれば差はあるが、低感度の写真についてはセンサーが小さい割にはよく写っている。 S95と比べると彩度やコントラストが少し高い印象。
Sシリーズでもよく聞く話だが、明暗差のある被写体では白とびすることがある。 RAWで保存する場合Dレンジ補正が使えない。 HDRは使えるが、手持ちではブレやすい。 露出補正を行っても明暗差が大きすぎると暗部が暗くなりすぎることがある。 白とびがある場合、私はRAW現像でハイライトとシャドウを調整している。 DPPよりLightroomの方がハイライトとシャドウの調整は優秀で、白飛びした空でももとの色を再現できる場合がある。 ただ、Lightroomでも白とびを修正しにくく、より高性能なセンサーとの差を感じる。
暗所での高感度撮影についてはS95と比べるとノイズは少なくなった。 ISO800とISO1600で撮影して等倍で比べたが、ディテールに関してはS95もG15もほとんど変わらないと感じた。 ノイズが少ない分G15の方が見栄えが良い。 ディテールを気にするならISO800以上は使いたくないが、縮小した写真ならISO1600くらいまでは使えそう。 低感度に関してはS95とあまり差は感じない。 被写体の表面の質感はG15だと若干ツルツル、良く言えば滑らかな気もするが、DPPでアンシャープマスクなどを弄ると印象が変わるかもしれない。
P/Tv/Av/Mモード、AWB(オートホワイトバランス)でいろいろ撮っているうちに気づいたが、やや緑かぶり(緑が強い)の傾向がある。 葉などの緑色、木やダンボールなどの茶色、花などの黄色の被写体を写すと分かりやすい。 葉は緑だけでなく少し黄色っぽいものや、淵だけ少し黄色くなっているものなどいろいろあるが、こういったものがほとんど緑になり、一緒に写っている土はコケが生えたように少し緑がかっている。 これはP/Tv/Av/Mモード、AWB使用時のことで、AUTOだと自動で調整するのか少しマシになる。 P/Tv/Av/Mでもマイカラーをすっきりカラーにすればマシになる。 ただ、両方ともRAWで記録できなくなる。 AWBの色を弄ることもできるが、他に影響が出ると困るのであまり弄りたくない。 ホワイトバランスを手動で設定することもできるが、それでも微妙に色に違和感がある。 結局私はRAWで撮ってDPPで色を調整している。
ダイナミックレンジはそれほどでもないが、概ねよく撮れている。 最短撮影距離はレンズ先端から1cm(W)~40cm(T)で、マクロ時も広角端で1cmだが、接写する際はマクロモードにした方が合焦しやすい。
作例は基本JPEG撮って出しだが、緑が強い写真はRAW現像で少し修正した。 撮影モードはP/A/S/Mの何れか、ホワイトバランスはオートを使用。 写真は動画化してYouTubeにアップロードした。 2013年6月頃撮影。 撮影場所は神奈川県鎌倉市、長谷寺など長谷周辺。
PowerShot G15を使っていて唯一不満なのが撮って出しの写真の色があまり良くないこと。 環境によるが、屋外でも屋内でも緑かぶり(写真が緑がかっている)になることが多い。 写真の色が微妙に実物と異なるのは他のカメラでも同じだが、G15はやや気になる。 私はP/Tv/Av/Mの何れかのモードで撮影しており、カメラ側の設定を少し弄ってみたが、良い結果は得られなかった。 そこでDigital Photo Professional(DPP)を使ってRAWファイルを編集して緑かぶりを修正している。
以下はDPPによる色かぶり修正手順。
色かぶりの修正方法はいろいろあるが、修正に時間をかけたくないので、私はホワイトバランスと色相で修正している。 今のところこれが一番楽で無難。 私の撮影環境ではホワイトバランスは「オート」、「太陽光」、「白色蛍光灯」の何れかを使うことが多い。 ホワイトバランスを設定後、色相を調整する。 色かぶりが目立たず、色相を調整しない場合もある。
黄色、茶色、緑色が多い写真は緑かぶりが目立つ。 特に黄色は汚く見える。 茶色系は肌、段ボール、木、土、食品(菓子類、麺類)など意外と多い。 これらの緑かぶりがなくなると、写真の印象がだいぶ変わる。
DPPにて色かぶりの他、露出(明るさ調整)、レンズの歪曲と周辺光量を調整した後、JPEGで出力する。 JPEG保存時に表示されるウィンドウにて画質を5、出力解像度を350dpiにすると撮って出し写真と同じくらいの画質とファイルサイズになる。
ステップズームは、私がPowerShot G15でよく使う機能のひとつ。 G15はほぼ初期設定のまま使っているが、ステップズームだけは設定した。 ステップズームは、35mm判換算で 28mm、35mm、50mm、85mm、100mm、140mm の焦点距離を選べる。 設定方法は取扱説明書に書いてあり、以下の手順で行う。
「電子ダイヤル優先1」と「電子ダイヤル優先2」の場合はコントローラーホイールでステップズーム、「コントローラーホイール優先」の場合は電子ダイヤルでステップズームできるようになる。 「電子ダイヤル優先1」または「電子ダイヤル優先2」、且つM(マニュアル)モードの場合、コントローラーホイールはデフォルトではAvまたはTvが割り当てられているので、測光ボタン(ホイールの左下にあるボタン)を2回押すとホイールでステップズームできるようになる。