デジカメのP、A(Av)、S(Tv)、Mモードの使い方、AUTO以外で撮影する

更新:

デジカメの撮影モード、P、A(Av)、S(Tv)、Mモードの使い方。

デジカメのP、A(Av)、S(Tv)、Mモード

少し良いデジカメを買うとAUTO(オート)以外にP/A/S/Mの撮影モードがある。
メーカーによってはAはAv、SはTvと表記されている。
AUTOでも綺麗に撮れるが、せっかくこれらのモードがあるのだからP/A/S/Mを使わないともったいない。
ここではP/A/S/Mの使い方について記す。


P(プログラムオート)

PはプログラムオートやプログラムAE(Auto Exposure)などと説明書に書かれている。
Autoに近い感覚で使えるので、まずこのモードから使ってみると良い。
後述する絞りやシャッタースピード以外を自分で調整して撮影できる。
プログラムシフトという絞りとシャッタースピードの組み合わせを変更できる機種もある。
ほぼカメラ任せで撮影し、たまに露出補正(明るさの調整)をしたいときなどに使う。


A、Av(絞り優先)

絞りは自分で決め、シャッタースピードは自動で撮影するモード。
メーカーによりAやAvと表記されており、絞り優先、絞り優先AEなどと説明書に書かれている。
絞りはF値(絞り値)で表され、F2やF8などと表記される。
数値が小さいと絞りが開いた状態で、数値が大きいと絞った状態。
人間の目で言うと、目蓋(まぶた)や瞳孔(どうこう)と似ている。
以下のような特徴がある。

  1. カメラ(イメージセンサー)に入る光の量は、F値が小さいと多く、F値が大きいと少なくなる。
  2. 被写界深度(ピントが合っている範囲)は、F値が小さいと浅く(ピントが合っている範囲が狭く、ボケている範囲が広い)、F値が大きいと深く(ピントが合っている範囲が広く、ボケている範囲が狭い)なる。
  3. 被写界深度はレンズの焦点距離が短い(広角)ほど深くなり、長い(望遠)ほど浅くなる。
    同じ画角とF値で撮影しても、基本的にセンサーが小さい機種ほど焦点距離(35mm判換算ではない)が短いので被写界深度が深くなる(ボケる範囲が狭い)。
  4. 絞りすぎると光の回折現象により小絞りボケが発生する。

つまり暗い場所では明るく写すためにF値を小さくすれば良い。
ただ、被写界深度が浅くなるため、単にF値を小さくすれば良いというものでもなく、どのように撮りたいかによってF値を決める。
絞りの特性やF値を変えて撮った写真の印象はレンズによって異なるので、自分が使うレンズでF値を変えて試してみると良い。


S、Tv(シャッタースピード優先)

シャッタースピードは自分で決め、絞りは自動で撮影するモード。
メーカーによりSやTvと表記されており、シャッタースピード優先、シャッター速度優先AEなどと説明書に書かれている。
シャッタースピードは1/40秒(40分の1秒)、1/1000秒(1000分の1秒)などと表記される。
数値が小さい(1/100秒など)とシャッタースピードは速く、数値が大きい(1秒など)とシャッタースピードは遅い。
カメラはシャッターが開いている間に見えているものを写し取る。
人間でいうと、まず目蓋を閉じ、一瞬目蓋を開けて再び閉じたとき、目蓋を開けていた瞬間だけ見えたものを映像として記録するようなもの。
つまりシャッターが開いている間に被写体が動いてしまうと被写体ブレ、カメラが動いてしまうと手ブレが起きやすい。
それならば全て高速なシャッターで撮れば良いかというとそうでもない。
被写体が意図せず動くと被写体ブレだが、被写体が動くことで撮れる写真もある。
例えば打ち上げ花火は、シャッタースピードが速いと光の点が撮れるが、シャッタースピードをあえて遅くすると光の軌跡となって撮れる。
よく夜景の写真で車のヘッドライトが軌跡となって撮れている写真があるが、シャッタースピードが遅いことでそういった写真が撮れる。
そもそも暗い場所ではシャッタースピードは遅くすることが多いが・・・。
滝などの水を撮る場合、シャッタースピードを速くすると水が静止しているような一瞬が撮れ、シャッタースピードを遅くすると水が流れている雰囲気が撮れる。
動いている人物や動物を撮る場合、基本的にシャッタースピードを速くしてブレないように撮るが、シャッタースピードを調節して手や足など動きが速い部分だけ若干ブレというか軌跡が出ると躍動感が出る場合がある。

また、カメラ(イメージセンサー)に入る光の量は、シャッタースピードを速くすると少なく、シャッタースピードを遅くすると多くなる。
つまり暗い場所ではシャッタースピードを遅くすると明るく撮れるが、手ブレなどに注意する必要がある。
明るい場所でシャッタースピードを遅くしたとき、明るくなりすぎる場合はNDフィルターなどで露出(光量)を調整する。


M(マニュアル露出)

M(マニュアル露出)はその名の通りマニュアル操作。
上述の絞りとシャッタースピードの両方を自分で決めたいときに使用する。


ISO感度

各撮影モードを使う際、重要になってくるのがISO感度。
ISO感度はISO100やISO1600など数値で表され、数値が大きいほど感度が高くなる(明るく撮れる)が、写真にノイズが増えて不鮮明になる。
よって基本的にISO感度は低くできるなら低い方が良い。
ただ、暗い場所では光量が必要で、まず絞りやシャッタースピードで調節するが、それでも光量が足りない場合はISO感度を高くする。
高感度時のノイズ量はセンサーにより異なり、自分のカメラのISO感度ごとのノイズを把握しておくと良い。
自分の許容範囲のISO感度を設定し、その後絞りやシャッタースピードで露出(光量)を調整することもある。
三脚などを使ってカメラを固定すれば、手持ちよりシャッタースピードを遅くできる。

このエントリーをはてなブックマークに追加