電子メールにはヘッダーと呼ばれる領域があり、メールヘッダーやインターネットヘッダーとも呼ばれる。 通常メールアプリケーションは、ヘッダーに書かれている情報のうち、送信者、宛先、件名など最低限必要な項目のみ表示している。 ヘッダーにはメールの通信情報なども書かれており、経由したサーバーのIPアドレスやドメイン名なども記録されている。 スパム(迷惑メール)の対処をしたり、送信元のプロバイダーに通報する場合などに利用できる。
主なメールアプリでのヘッダーの確認方法は以下のとおり。
旧Hotmail、Liveメール。
この状態で受信トレイにあるメールを選択すると、差出人や宛先、件名などが表示されている領域に省略されていた全てのヘッダー情報が表示される。 ヘッダー情報が多い場合、右端にスクロールバーが表示されてスクロールできる。
また、受信トレイにて宛先や件名が表示されている領域の右側にある「その他」→「ソースを表示」を選択すると、ヘッダーを含む全てのソースが表示される。 プロバイダ等に通報する際は、このソースにある情報を提出した方が良い。
以前は単に「メール」という名称だった。 昔のOutlook Expressに相当する。
パソコンの場合、どのメールでもデスクトップなどにメールを保存してからメモ帳などのテキストエディタで開くとヘッダー情報を見ることができる。
以下のサンプルをもとにメールヘッダーの内容とその意味について説明する。
Return-Path: <xxxxx@testtest.com> X-Original-To: 00000@example.com Delivered-To: 11111@example.com Received: from smtp16.mail.bbt.yahoo.co.jp (smtp16.mail.bbt.yahoo.co.jp [202.93.83.109]) by example.com with SMTP id 6122A25ED23 for <00000@example.com>; Tue, 13 Sep 2005 15:06:59 +0900 (JST) Received: from unknown (HELO PC NAME) (219.110.000.00 with poptime) by smtp16.mail.bbt.yahoo.co.jp with SMTP; 13 Sep 2005 06:06:43 -0000 Message-ID: <20050913xxxxxxxxx@dbulks02.yahoo.co.jp> From: ABC <abc@testtest.com> To: <00000@example.com> Reply-To: zzzzz@testtest.com Subject: test Date: Tue, 13 Sep 2005 15:06:38 +0900 MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; format=flowed; charset="iso-2022-jp"; reply-type=original Content-Transfer-Encoding: 7bit X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2900.2527
迷惑メールの情報で一番重要となるのが、メールヘッダーにあるReceived。 ここには経由したサーバーのIPアドレスやドメイン名、送信元などが記録される。 経由したサーバーの数だけ記録される。 基本的に一番下の Received が送信元で、一番上が自分が利用しているメールサーバーとなる。 つまり下から順に経由したサーバーが記録されている。
特に from の[ ] カッコ内のIPアドレスが重要となる。 Received の書式は以下のようになっている。
Received: from 送信したパソコン名またはホスト名など (右記のIPアドレスのホスト名[送信したコンピュータのIPアドレス]) by 受け取ったサーバー名 with SMTPなどの転送方法 id 転送時のID番号 for 宛先のメールアドレス; 処理時刻
以下の例では from ocn.ne.jp ([61.233.184.140]) の部分は 61.233.184.140 が中国のIPアドレスだが from ocn.ne.jp となっている。 中国の回線で接続し、ocn.ne.jp というメールサーバーを使って送信すればこのようになるが、ocn.ne.jp というメールサーバーは存在しないので、サーバー名を ocn.ne.jp に偽装して送信していると推測できる。
Received: from ocn.ne.jp ([61.233.184.140]) by rcpt-impgw.biglobe.ne.jp (kmfn/1311190705) with SMTP id j8TNJVv3017860 for <test@biglobe.ne.jp>; Fri, 30 Sep 2005 08:19:31 +0900 (JST)
以下の例では bgmgate1.biglobe.ne.jp の部分が偽装されているように見えるが、bgmgate1.biglobe.ne.jp というメールサーバーは存在する。
Received: from bgmgate1.biglobe.ne.jp (p1163-ipbf615marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp [222.149.232.163]) by rcpt-impgw.biglobe.ne.jp (kmfn/1311190705) with SMTP id j8TM9IdZ010976 for <test@biglobe.ne.jp>; Fri, 30 Sep 2005 07:09:18 +0900 (JST)
以上のようにドメイン名は偽装されている可能性もあるので、[ ] カッコ内のIPアドレスを確認した方が良い。
その他には以下のような情報が書かれている。 ヘッダーにある各項目の意味を知っていると迷惑メールに対処しやすくなる。