DELL Vostro 200 スリムタワー改造、メモリ増設、CPU(Core 2 Duo E8400)とグラボ(GeForce GT 610)交換、Windows 8.1へアップデート、ベンチマークテスト、消費電力
更新:
DELL のスリムタワーデスクトップPC、Vostro 200 の改造手順、ベンチマークテスト、消費電力測定など。
メモリ増設、CPU を Core 2 Duo E8400 に交換、ビデオカードを GeForce GT 610 に交換、OS を Windows 8.1 64bit へアップデート。
DELL Vostro 200 スリムタワーを改造して Windows 8.1 へアップデートする
DELL Vostro 200 スリムタワー
は、2008年2月12日に父が使うために購入したPCである。
ハードウェアはHDD以外購入時と同じで、以下のようなスペックになっている。
パーツ |
スペック |
CPU |
Intel Core 2 Duo E4500 【2.20GHz、2コア、LGA775】 |
メモリ |
Hynix HYMP564U64CP8-Y5 1GB 【DDR2-667(PC2-5300)512MB×2】 |
グラフィックス |
オンボード Intel GMA 3100 【VRAM 128MB】 ビデオカード ATI Radeon X1300 Pro 【VRAM 256MB】 |
HDD |
Western Digital WD5000AAKX 500GB 【SATA 6Gb/s】 |
DVDドライブ |
HL-DT-ST DVDRAM GSA-H62N |
OS |
Microsoft Windows XP Home Edition SP3 |
モニタ |
DELL E178FP 【17型スクエア液晶、解像度1280×1024】 |
Windows XPのサポートが終了するにあたり、新しいPCを買わずにこのWindows XPマシンをWindows 8.1へアップデートして引き続き使うことにした。
Windows 8.1 のインストール
1. BIOS のアップデート
まず、Windows 8.1をインストールする前にBIOSのアップデートを行う。
DELLのサイトから最新(もう更新はないだろうから最終)版の1.0.16をダウンロード。
これはダウンロードしたファイルを実行するだけでアップデートできる。
2. メモリの増設
メモリの増設もWindows 8.1をインストールする前に行った。
Windows 8.1を快適に使えるように、もとから付いていたメモリ1GBに4GB増設し、合計5GBにした。
増設したメモリは
Komputerbay DDR2-800 PC2-6300/6400 4GB(2GB×2)
。
速度はもとから付いていたメモリDDR2-667と同じになるが、あまり変わらないので、容量重視でもとから付いていたメモリも使うことにした。
このVostro 200にはメモリスロットが4つあり、512MBを2枚、2GBを2枚挿した。
メモリスロットの固定クリップの色は白と黒があり、色に合わせて同じ種類のメモリを挿す。
メモリの容量は個人的には最低4GBあれば事務作業などで使うには十分だと思う。
ただ、先のことを考えると少し多めに積んでおきたい。
また、アプリケーションの多重起動、画像・動画の編集など、メモリを多く消費する場合は8GB以上は欲しい。
このVostro 200はウェブサイトの閲覧や事務作業くらいにしか使わないので、とりあえず5GBあれば十分だろう。
3. ハードウェアの準備
Vostro 200の注文時にオプションで付けたRadeon X1300 Proは、Windows 8.1をインストールする前に取り外し、まずはオンボードグラフィックスGMA 3100で動作を確認する。
もとのモニターは
DELL E178FP(17型スクエア液晶、解像度1280×1024)
だが、2014年現在の使用環境を考慮してフルHD(解像度1920×1080)の
LG FLATRON W2340(23型ワイド液晶)
を用いてベンチマークテストなどを行った。
4. Windows 8.1をインストール
Windows 8.1 64bit DSP版
を購入してインストールした。
インストールする際は、BIOSでDVDドライブのブートを優先しておく。
インストールは特に問題なく終わり、Windows 8.1を起動できた。
5. ドライバのインストール
オンボードグラフィックスGMA 3100のドライバは、インテルのサイトから「Windows 7* 64 用インテル® グラフィックス・メディア・アクセラレーター・ドライバー 15.12.75.4.64.1930 (8.15.10.1930) win7_64_1512754.exe」をダウンロードしてインストールした。
Windows 8.1用のドライバは提供されていないが、特に問題なくインストールでき、正常に動作した。
ネットワーク、サウンドなどのドライバはインストールしなくても動作した。
改造編
1. 準備
ここまでメモリを増設してWindows 8.1をインストールしただけだが、一応このスペックでもWindows 8.1は動く。
ただ、もう少し快適に動作するように、また今後のことも考え、CPUはCore 2 Duo E8400、ビデオカードは
ASUS GT610-SL-1GD3-L(NVIDIA GeForce GT 610)
を用意した。
ちなみにE8400はヤフオクで2,000円くらいで落札した。
E8400はメーカー製PCや自作PCなどでよく使われたのか、8000番台でもっとも出品が多く値段も手頃である。
GeForce GT610は別のLGA775マシンで使うために買ったものだったが、このVostro 200で使うことにした。
GT610は600番台では下位モデルだが、性能が低い分上位モデルと比べて消費電力は小さく、グラフィックス性能をあまり必要としないのであればこれで十分である。
また、このASUS GT610-SL-1GD3-Lはファンレスで静かというのもこの製品を選んだ理由である。
2. CPUの交換
E4500とE8400でベンチマークテストを行ったが、事務作業程度であればE4500でも十分だと感じた。
ベンチマークテストの結果は後述するが、当然E8400の方が処理に余裕があった。
ただし、E8400を使うと消費電力は少し大きくなる。
悩んだ末、消費電力の差は小さいのでE8400を載せて使うことにした。
CPUクーラーはネジで4箇所固定されており、これをプラスドライバで取り外す。
レバーを持ち上げてロックを解除する。
CPUを取り外す。
新しいCPUを載せる。
メモリと同様ノッチ(切り欠き)があり、1方向にしか取り付けられないようになっている。
CPU表面にシリコングリスを塗り、CPUクーラーをもと通り取り付ける。
使用したグリスは
SANWA SUPPLY シリコングリス TK-P3S
。
CINEBENCH R15.0でCPUに負荷をかけたとき、グリスなしでCPUのコア温度が約70℃、グリスありで約50℃だったので、グリスを塗ることをおすすめする。
発熱が少ないと、ファンの回転をおさえられてよい。
3. ビデオカードの装着
今回比較したGPUは、オンボードのGMA 3100(VRAM 128MB)、ビデオカードのRadeon X1300 Pro(VRAM 256MB)とGeForce GT 610(VRAM 1GB)の3つ。
テキスト主体の事務作業程度であればGMA3100でも一応作業できるレベルである。
ただ、画像・動画の閲覧・編集など少しグラフィックス性能を必要とする場合、GMA3100では辛い。
もともとVostro 200に付いていたX1300Proで快適ならそのまま使おうと思っていたのだが、動画再生時あまり快適ではなかった。
ベンチマークスコアは当然GMA3100よりX1300Proの方が良く、使い方次第ではX1300Proでも満足だろう。
ただ、YouTubeでフルHD(1080p)動画を3つ同時に再生させると、かなり動作が重くなり、CPU使用率は90%を超えた。
動画を1つ再生するだけならそこまで動作は重くならないが、CPU使用率は約90%になり、これはGMA3100もX1300Proも同様だった。
一方、GT610はフルHD(1080p)動画3つ同時再生時、E4500でCPU使用率約20%、E8400で約12%となり、他の作業をできるほど余裕がある。
ゲームはしなくても、動画の再生をしながら他の作業をするというのはあり得るシチュエーションなので、最終的にGT610を使うことに決めた。
【ASUS GT610-SL-1GD3-Lの装着】
4. グラフィックスドライバのインストール
上述の通り、GMA3100のドライバはインテルのサイトから「Windows 7* 64 用インテル® グラフィックス・メディア・アクセラレーター・ドライバー 15.12.75.4.64.1930 (8.15.10.1930) win7_64_1512754.exe」をダウンロードしてインストールした。
Windows 8.1用のドライバは提供されていないが、特に問題なくインストールでき、正常に動作した。
X1300ProはAMDのサイトからCatalyst 10.2(10-2_legacy_vista32-64_dd_ccc.exe)をダウンロードしてインストールした。
これもWindows 7までしか対応しておらず、Windows 8.1用のドライバは提供されていないが、特に問題なくインストールでき、正常に動作した。
ただし、インストールする際はダウンロードしたファイルを右クリックし、[互換性]のタブで互換モードをチェックしてWindows 7を選んでから実行しないと、インストール可能なコンポーネントがないという警告が出てインストールできない。
またドライバインストール後、Windowsを起動すると画面が黒いまま何も表示されない場合がある。
これはWindowsの高速スタートアップを無効にすれば解決できるが、起動速度は遅くなる。
GT610はWindows 8.1用のドライバをNVIDIAのサイトからダウンロードしてインストールした。
新 DELL Vostro 200 スリムタワー
以上の改造により下表のスペックになった。
新たに購入したものは Windows 8.1、Core 2 Duo E8400(中古)、GeForce GT 610、メモリ4GB で、合計約22,000円。
ベンチマークテストはCPUとビデオカードをそれぞれ交換して行った。
パーツ |
スペック |
CPU |
Intel Core 2 Duo E4500 【2.20GHz、2コア、L2 2MB、FSB 800MHz】 または Intel Core 2 Duo E8400 【3.00GHz、2コア、L2 6MB、FSB 1333MHz】 |
メモリ |
合計5GB ・Hynix HYMP564U64CP8-Y5 1GB 【DDR2-667(PC2-5300)512MB×2】 ・Komputerbay DDR2-800 PC2-6300/6400 4GB(2GB×2)
|
マザーボード |
DELL 0RK936 【Intel G33 チップセット、BIOS 1.0.16】 |
グラフィックス |
オンボード Intel GMA 3100 【VRAM 128MB】 または ビデオカード ATI Radeon X1300 Pro 【VRAM 256MB】 または ビデオカード ASUS GT610-SL-1GD3-L 【NVIDIA GeForce GT 610、VRAM 1GB】 |
GPUドライバ |
GMA3100用 15.12.75.4.64.1930(8.15.10.1930) X1300Pro用 Catalyst 10.2 GT610用 335.23(9.18.13.3523) |
HDD |
Western Digital WD5000AAKX 500GB 【SATA 6Gb/s】 |
DVDドライブ |
HL-DT-ST DVDRAM GSA-H62N |
OS |
Microsoft Windows 8.1 64bit |
モニタ |
LG FLATRON W2340VG-PN 【23型ワイド液晶、解像度1920×1080】 |
消費電力、起動・終了時間
PC本体(システム全体)のアイドル時の消費電力は下表のようになった。
Core 2世代のシステムとしては標準的な消費電力であるが、Haswell世代と比べると2倍くらい消費電力が大きい。
ビデオカードを挿すだけで消費電力が少し増えてしまうが、オンボードグラフィックスでは物足りないのでしかたない。
Windows 8.1の高速スタートアップにより、Windows XPでは40秒近くかかっていた起動時間が約半分になった。
ただ、Haswell世代の新しいシステムであれば10秒くらいで起動するので、それと比べると遅い。
アイドル時の消費電力は、X1300ProよりGT610の方が小さく、新しいGPUの省電力性を実感できる。
PC本体の消費電力(アイドル時) |
Core 2 Duo E4500 + GMA 3100 使用時 48W Core 2 Duo E4500 + Radeon X1300 Pro 使用時 62W Core 2 Duo E4500 + GeForce GT 610 使用時 55W Core 2 Duo E8500 + GeForce GT 610 使用時 60W |
メモリ使用量(アイドル時) |
各CPU、GPU使用時ともに約900MB |
起動時間(電源ONからロック画面表示まで) |
通常時 約22秒 高速スタートアップ無効時は約41秒 |
終了時間(シャットダウン選択からPC終了まで) |
約8秒 |
室温 |
20℃ |
消費電力測定機器 |
ワットチェッカーTAP-TST5(サンワサプライ) |
Windows エクスペリエンス インデックス
WIN SCORE SHARE 2.00 を使ってスコアを測定し、下表のようになった。
CPUのスコアは予想以上に差が出た。
逆にグラフィックス関連のスコアは予想より差が小さかったが、動画の再生など実際の使用感はGT610が圧倒的に快適である。
VRAMの違い、ドライバのWindows 8.1への対応などの要因が考えられる。
項目 |
E4500 GMA 3100 |
E4500 Radeon X1300 Pro |
E4500 GeForce GT 610 |
E8400 GeForce GT 610 |
プロセッサ |
5.3 |
5.3 |
5.3 |
6.6 |
メモリ(RAM) |
5.3 |
5.3 |
5.3 |
6.6 |
グラフィックス |
3.5 |
4.4 |
4.3 |
4.3 |
ゲーム用グラフィックス |
3.3 |
3.9 |
4.7 |
4.7 |
プライマリディスク |
5.9 |
5.9 |
5.9 |
5.9 |
スーパーπ
スーパーπ
を実行したところ、下表の結果になった。
グラフィックスは関係ないのでCPUのみ比較。
計算桁数 |
Core 2 Duo E4500 |
Core 2 Duo E8400 |
104万桁 |
27秒 |
16秒 |
209万桁 |
1分2秒 |
39秒 |
以下、各種ベンチマークテストの消費電力はPC本体(システム全体)のもの。
消費電力は負荷のかかり具合で変動するため、目視により最小値と最大値を記録した。
ローディング中の消費電力は記録しない。
CPUは定格で使用。
CINEBENCH R15
GMA3100では実行できず。
X1300ProのOpenGLテストは、動作はするがエラーが出て完全なテストができずスコアなし。
項目 |
E4500 GMA 3100 |
E4500 Radeon X1300 Pro |
E4500 GeForce GT 610 |
E8400 GeForce GT 610 |
OpenGL |
- |
x fps 消費電力 : 85~92 W |
17.42 fps 消費電力 : 95~97 W |
17.58 fps 消費電力 : 110~112 W |
CPU |
- |
104 cb 消費電力 : 91~94 W |
103 cb 消費電力 : 84~86 W |
159 cb 消費電力 : 97~100 W |
CPU(シングルコア) |
- |
55 cb 消費電力 : 81~84 W |
55 cb 消費電力 : 73~76 W |
81 cb 消費電力 : 87~89 W |
3DMark06 Basic Edition (Build 1.2.0)
Resolution 1280x1024 フルスクリーンでテストした。
GMA3100ではHDR/SM3.0のテストを実行できずベンチの途中で終了。
GT610使用時、E4500とE8400で総合スコアがあまり変わらないのは、GT610がボトルネックになっていると思われる。
項目 |
E4500 GMA 3100 |
E4500 Radeon X1300 Pro |
E4500 GeForce GT 610 |
E8400 GeForce GT 610 |
Score |
C0 |
1300 |
4124 |
4334 |
SM2.0 Score |
126 |
454 |
1725 |
1734 |
HDR/SM3.0 Score |
0.0 |
469 |
1500 |
1521 |
CPU Score |
1797 |
1885 |
1896 |
2750 |
消費電力 |
65~78 W |
79~100 W |
80~92 W |
81~101 W |
FF11ベンチマーク(ファイナルファンタジーXI Vana'diel Bench 3)
Resolution Hight でテストした。
E4500使用時、X1300ProとGT610でスコアがあまり変わらないのは、E4500がボトルネックになっていると思われる。
項目 |
E4500 GMA 3100 |
E4500 Radeon X1300 Pro |
E4500 GeForce GT 610 |
E8400 GeForce GT 610 |
スコア |
2310 |
4421 |
4386 |
7451 |
消費電力 |
63~71 W |
80~84 W |
70~74 W |
90~95 W |